イベント・舞台挨拶

『市子』名古屋・大阪 舞台挨拶付先行上映会

©2023 映画「市子」製作委員会

 抗えない境遇に翻弄されながらも、「生き抜くこと」を諦めなかった川辺市子の人生を描く映画『市子』。
 この度、この新作映画を引っ提げ、主演の杉咲 花、メガホンを取った戸田彬弘監督が名古屋・大阪の地に降り立ち舞台挨拶を実施。全国公開を今週末に控え、各地で映画にかける熱い思いを直接観客に伝えた。

 まず二人が大きな拍手を送られながら登壇したのは、名古屋は伏見ミリオン座。当日に名古屋に到着したばかりの杉咲だが、「今日はひつまぶしと手羽先を頂きました」と早くも名古屋を堪能している様子。これまで釜山・東京と国際映画祭にも出品されてきた『市子』だが、一般の観客に映画を観てもらうことに対して監督は「本当に、映画というものはいろいろな方に届いていって欲しいものだと思います。こうしてお客様に映画がどう評価されていくのかいつも怖いと思っていて、今日も緊張しております」と率直に心の内を打ち明けた。杉咲は「ドキドキしますし、『市子』という作品は自分にとって特別な作品なので、あと少しで自分たちの元から巣立ってしまうんだなという寂しさを感じています。皆さんがどういうふうにこの作品を受け止めてくださるのか楽しみな気持ちもあり、気に入っていただけたら光栄です」と、公開直前の心情を語った。
 撮影時の印象的なエピソードを聞かれると、監督が「僕はすごく驚いたことがありまして……」と切り出し杉咲にまつわる初披露の裏話を。「予告編にもある市子がトンネルの中を駆け抜けていくシーンなのですが、衣装がスカートとサンダルなのに走るのが滅茶苦茶早くて、男性のカメラマンと録音部が追いついていけないほどでした。“足が速いんですね”と杉咲さんに伝えたら“そうなんです”と爽やかに答えられたので記憶に残っています」と語り笑いに包まれた場内。杉咲も笑い声をあげながら「転んでしまったらどうしようと思い、死に物狂いで走っていました」と当時を振り返った。一方杉咲は「脚本には具体的にどういう感情になるとは書いていなかったんですが、どうしようもなく心が動いてしまうシーンがありました」と、若葉竜也演じる長谷川と対峙するプロポーズ・シーンについて言及。それに対し、監督は「その撮影のシーンの後、若葉くんが僕のところに来て「杉咲さん芝居ヤバすぎるんですけど」と言ってましたよ。ちゃんと杉咲さんの演技を感じ取っていたと思います」と杉咲も知らないエピソードを伝え、杉咲は嬉しそうな表情を浮かべた。

 地方キャンペーン2日目となる12月5日には、満席の大阪TOHOシネマズ なんばにて舞台挨拶を実施。昨年夏に行われた『市子』の撮影以来、初めて大阪を訪れたという杉咲と、奈良出身の監督には馴染の深い場所であり“凱旋”という形となった。「大阪という街は笑いにはとても厳しいイメージがあるのですが、映画に対しての良し悪しもはっきりされている街だと思うのでプレッシャーを感じています」と監督は緊張気味。物語の舞台は東大阪、関西弁を話す市子だが、その設定に関して監督は「市子はある境遇を背負った女の子で、現実世界にもそういった方々は実際にいらっしゃいます。彼女が生きている時代・世界と、観ていただく方が生きている今の時代・世界が重なるようにしていきたいと思いました。標準語で演じてしまうとそこに匿名性が生まれ、ニュートラルなものになってしまう気がし、僕自身にもゆかりのある関西弁を選びました」とその拘りを明かした。
 公開を前にいち早く鑑賞したマスコミ・観客から、既に絶賛の声が上がっている『市子』。感想を受けた杉咲は「市子を、実在している人物のように捉えてくださる方がいらっしゃっるんです。私はこの映画は自分たちの暮らしの地続きのところにある話だと思っているので、物語の中の人物としてではなく、本当に近くにいる人のように感じていただけてとても嬉しかったです」と話す。監督もこの杉咲の言葉に深く頷き、「“市子が側にいた気がする”“町ですれ違っていたんじゃないかと思ってしまう”という感想を頂きます。フィクションという距離感では無く、現実社会を生きている自分たちの身近にある問題であると感じていただけていることが嬉しいです」と語った。
 最後にコメントを求められた杉咲は「市子を演じた時間は、かけがえのない時間でした。自分自身が嬉しいことや悲しいこと、その全てを他者に知ってもらうことができないように、その人にしか分からないことがある。そういうことを、想像して、想像して、想像することが他者と関わっていくことなのだと考えさせられました。皆さまが市子という人物をどう受け止めてくださるのか、すごく興味があります。自分の生活に置き換えて、すぐ隣にいる人の話だと思ってこの映画を観ていただけたら嬉しいです」と作品に込められたメッセージを伝えた。

 2日に渡り、全国の映画ファンに確かな熱量を伝えきった杉咲と戸田監督。全国公開を今週8日に控え、『市子』の勢いは増すばかりだ。

 登壇者:杉咲 花、戸田彬弘監督

公開表記

 製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
 12月8日(金) テアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

(オフィシャル素材提供)

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