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田山花袋原作『蒲団』5月11日 K’s cinemaでの公開決定!Asian Film Festival 21(ローマ)コンペティション選出も

© 2024BBB

 日本の自然主義文学を代表する作家である田山花袋が1907年(明治40年)に発表し、日本文学史における私小説の出発点と言われている不朽の名作『蒲団』を原案にした長編映画が5月11日からK’s cinemaで公開されることが決定した!

 小説は、田山花袋の妻子のある小説家・竹中時雄が、懇願されて弟子にした女学院の学生・横山芳子に恋をするが、彼女に恋人ができたことで嫉妬に狂い、破門にしたにもかかわらず強い未練を残すという内容で、蒲団に残った芳子の残り香を嗅ぐ「心のゆくばかりなつかしい女の匂いを嗅いだ」という一節はあまりにも有名だ。

 舞台を明治から令和に移し、小説家から脚本家に設定を変えた主人公の時雄を演じるのは、『Helpless』『EUREKA』『サッド ヴァケーション』等、青山真治監督の常連俳優として知られ、数々の映画・ドラマに出演してきた名バイプレイヤーの斉藤陽一郎。今作は『軒下のならずものみたいに』(青山真治監督)以来、20年ぶりの単独主演作となる。脚本家志望の芳子には、映画『ベイビーわるきゅーれ』で注目を集め、出演作が相次ぐ期待の若手・秋谷百音。時雄の妻・まどか役には現在公開中の『笑いのカイブツ』『一月の声に歓びを刻め』を始め日本映画界に欠かせない名優・片岡礼子。実力派キャスト陣が、日本文学史上における“普及の名作”に挑む。

 藤演じる時雄の芳子に対する思いは、“ハラスメントなのか、純愛なのか”……。そして小説と同じ結末なのか……。果たして、時雄の恋の行方は……?

 監督は『テイクオーバーゾーン』(20)、『YEN(DIVOC−12)』(21)、『なん・なんだ』(22)で現代の問題を独自の目線で切り取り、エンタメ作品に昇華してきた気鋭・山嵜晋平。『テイクオーバーゾーン』は2019年の「第32回東京国際映画祭」日本映画スプラッシュ部門に出品され主役の吉名莉瑠がジェムストーン賞を受賞している。脚本は『戦争と一人の女』(12)や『さよなら歌舞伎町』(14)、『花腐し』(23)等、長年、荒井晴彦と共に脚本を作り上げてきた中野太。制作陣が、小説の持つ“普遍性”を活かしつつ、どのように“現代性”を入れているか必見だ。

 同作は、4月にローマで開催される映画祭“Asian Film Festival 21”コンペティション部門に正式出品されている他、台湾・韓国での展開も決まっている。
 作品の世界観を覗くことができる場面写真が解禁!

 出演者と監督のコメントも届いた。

コメント

斉藤陽一郎(竹中時雄 役)
 旅館の押入れや蒲団部屋を発見すると思わず飛び込んでしまいたくなるのは決して子どもに限ったことではありません。大人だってそこに蒲団があれば飛び込んでしまいます。先日、酔っ払って目を覚ますと押入れの中だった私が言うのですから絶対です。そして、誰もが起ち上がるためには一旦横にならなければならないのもまた絶対です。100年以上前に書かれた田山花袋の原作が今もなお色褪せない輝きを持って読まれているのはきっとこの普遍性にあると信じ現場に臨みました。ある人はピュアなおじさんの恋愛映画ととるでしょう。或いは、中年おじさんの拗らせに嫌悪感を抱くかもしれません。恋愛は今も昔も、どこか滑稽で悲哀に満ちています。まずは、この『蒲団』に飛び込んでみて下さい。そして此処ではない何処かへ起ち上がるきっかけになってくれたらと思います。

秋谷百音(横山芳子 役)
 この度、映画「蒲団」にて横山芳美役を演じました秋谷百音です。
 芳美はとてもリアルな現代に生きる女の子でした。いろいろなことを考えて好きなように動いてみる、そんな彼女を演じられることを悦ばしく思い、悩みつつ、でも、楽しみながら精一杯演じました。また、初めての挑戦もありました。
 監督をはじめ、共演者の方々、スタッフの皆さんにたくさん助けていただいてやり遂げることができました。
 田山花袋の小説『蒲団』を元にしたストーリーなのですが、なんだか不思議な面白い雰囲気の作品になっていると思います。試写を観ながら私はクスクス笑っていました。
 これからご覧になる皆さんがどんなふうに受け取ってくださるのか楽しみにしたいです。

Evoto

片岡礼子(竹中まどか役)
 蒲団の中でもがく時というのは1番辛いことなのかもしれない。そんな瞬間の夫(斉藤陽一郎)は1番色気があってこれもまた妻からは悩ましいことでしかない。いろいろな意味で。
 撮影時、尋常ではない熱を孕むシーンであれど過酷な気温の中であれど、山嵜晋平監督はどんな時も平常で、気がつけば皆で笑いながら撮影は進む。さらに言うと、例えば物語の残酷でしかない出来ことは何故か羨ましいほどに眩しく魅せる。
 愛おしき辛さ。今の私はこの映画の残り香に酔う身であります。

© Cedric Diradourian

監督:山嵜晋平
 田山花袋さんの『蒲団』の中で主人公に芽生える「恋心」に惹かれて、自分の中で初めて「恋愛映画」を作ることを決めました。
 映画の中で、主人公が恋をする相手は才能あふれる自分よりだいぶ年下の女性。
 彼女は才能に溢れていて、あっという間に自分を追い抜いて行ってしまう。
 結局主人公が彼女に抱いていた「恋心」は「才能」に対する憧れなのか? 肉体に対する「肉欲」なのか? それともまっすぐな「純愛」なのか?
 中年男性が苦悶する先に見える“思い”を青山真治監督の作品を観て憧れていた斉藤陽一郎さんと一緒に、主人公と同じように苦悶しながら探していく作業は大変でしたが本当に貴重な時間でした。
 斉藤さんという独特の瞬発力と発想力を持つ面白い役者さん、いつも全力で全てをぶつけてくる秋谷百音さん、憑依するまで芝居を練り込む片岡礼子さん、そしていつものスタッフ、そんな皆で作ったのは、最初に構想していた「恋愛映画」を超えるものでした。

公開表記

 製作・配給:株式会社BBB
 2024年ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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