作品紹介

『サターン・ボウリング』

© Ex Nihilo – Les Films du fleuve – 2021

イントロダクション

 映画『サターン・ボウリング』は、『走り来る男』や『ポール・サンチェスが戻ってきた!』などのパトリシア・マズィ監督による長編第5作目。父親の罪によって取り返しのつかない傷を負った2人の異母兄弟の奇妙な物語だ。男性の悪に焦点を当てたイヴ・トマの脚本は「父の亡霊」という超自然的な要素を含みつつ、恐怖やトラウマ、ネグレクトがいかに救いようのない不幸のスパイラルを形成するかを隠喩的に描いている。

 また、『落下の解剖学』(24)や『ナイフ・プラス・ハート』(18)などの撮影監督シモン・ボーフィスによる陰鬱で美しいカメラ、俳優の凄まじい演技によって強化されたグランジなネオ・ノワールの雰囲気は、マズィ監督がアートハウス・カルトの地位におさまらないことを示している。マズィ監督は、ニコラス・レイ、パク・チャヌク、大島渚などにオマージュを捧げながら、古典的なフィルム・ノワールの方法を踏襲し、かつてない衝撃とともに現代的な暴力の問題を炙り出す――。

 本作は、パトリシア・マズィ監督の初の日本での劇場公開作品となる。父の遺したボウリング場を舞台に、男たちの結束と対立、沈黙と欲望が交錯する中で、崩れゆく秩序の中に潜む暴力を圧倒的な緊張感と映像美で描く、衝撃のネオ・ノワール!

ストーリー

 アルマン(アシル・レジアニ)は野獣のように街を徘徊し、時々働くクラブ「ル・カルゴ」の外にある他人の車に寝泊まりしていた。ある日、警察官である異母兄弟のギヨーム(アリエ・ワルトアルテ)が父親の死を告げに現れる。彼らの父親はボウリングが趣味の熱心な大物ハンターで、ボウリング場「サターン・ボウリング」をギヨームに残していた。
 疎遠になっていた弟と和解するため、ギヨームはアルマンにボウリング場を経営するチャンスを与え、父のアパートに引っ越すことを提案する。自分を捨てた父親への憎しみから距離を置いていたアルマンだったが、彼が店を仕切るようになるや否やすぐに問題が発生する。父の狩猟仲間の大所帯にボウリング場に頻繁に出入りするのをやめるよう要求したのだ。
 一方、猟師たちは、動物愛護活動家のスアン(Y・ラン・ルーカス)にメディアで挑発され、暴力事件になりかけたところをギヨームによって阻止される。偶然に出会ったギヨームとスアンがロマンスを育む最中、地元の墓地から複数の死体が発見され、若い女性を狙った連続殺人が進行中だとわかるが……。

 (原題:SATURN BOWLING、2022年、フランス・ベルギー、上映時間:114分)

キャスト&スタッフ

 監督:パトリシア・マズィ
 脚本:イヴ・トマ、パトリシア・マズィ
 キャスト:アリエ・ワルトアルテ 、アシル・レジアニ 、Y・ラン・ルーカス 、レイラ・ミューズ

ギャラリー

オフィシャル・サイト(外部サイト)

 https://senlisfilms.jp/saturnbowling

 公式SNS:https://www.instagram.com/senlisfilms(外部サイト)

公開表記

 配給:サンリスフィルム
 2025年秋 ユーロスペースほか全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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