イベント・舞台挨拶

映画『「桐島です」』完成披露上映会 舞台挨拶

© 北の丸プロダクション

 登壇者:毎熊克哉、北 香那、原田喧太、長尾和宏(製作総指揮)、高橋伴明(脚本、監督)

 映画『「桐島です」』完成披露上映会の舞台挨拶が都内で行われ、主要キャストの毎熊克哉、北 香那、原田喧太と作総指揮の長尾和宏、高橋伴明監督が登壇してクロストークを行った。

 本作は、東アジア反日武装戦線「さそり」の元メンバーで、指名手配犯人の桐島 聡が「ウチダヒロシ」という偽名で、藤沢市内の土木関係の会社で働いており昨年亡くなるまでの半世紀にわたる謎の逃亡生活が描かれる。

 キャストたちが登場し、20歳から70歳までの桐島を演じた毎熊は「この映画を観て、皆さんからどんな反響があるのか、どう感じてもらえるのか楽しみです」と客席に呼びかける。

 ミュージシャンのキーナ役を演じた北は「この作品が公開され、皆さんとこの場にいられることが嬉しいです」と笑顔で話す。

 桐島が通うバーの店主役で出演した原田は「1年ほど前に撮影しました。今日はよろしくお願いします」と挨拶。

 製作総指揮の長尾は「この作品に関わることができて楽しかった」と話した。

 メガホンを取った高橋監督は、作品について「小宮亜里から『この映画を撮らんといかんでしょう?』って言われたんです。連合赤軍の映画を作っていたので、その流れでそういう話がありました。桐島に関しては知らないことが多すぎました。その分、自由でしたね。いろんな事実をふまえつつ、梶原(阿貴)と脚本を書きました」と話した。桐島の弱い立場の人に寄り添う人柄や教えがドラマチックに描かれる。

 主演の毎熊は、高橋伴明監督作品へは初参加と思いきや2009年の『ZEN』で、エキストラ役で出演していたという。「3日ほどエキストラしました」と述懐した。この作品へのオファー時を振り返り、毎熊は「伴明監督が桐島役を自分でと言って下さってるだけで、『やります!』と言いました。桐島はつい最近まで生きていた人で、演じるのはメチャクチャ怖いことだと思ったんですが、作品でこのような役ができるという魅力のほうが勝ってしまいました」と話し、「10年間俳優をやってきたご褒美だと思い、『やらせてください!』と言いました」とコメントした。

 北は役作りについて「キーナは明るく、夢に向かっているキャラクターで、希望に満ちています。桐島に対峙している女性でいたいと思いました。彼女は桐島に垣間見える人間らしさに惹かれたのかなと思います。毎熊さんが演じている桐島から笑いかけられるシーンがあって、かき乱される感覚がありました」と話した。

 原田は「オファーされて嬉しかったです。桐島が実際に通っていたバーがあると聞きました。親しみやすいマスターを演じてみました」と伝えた。バーはカジュアルな雰囲気を醸し出している。劇中で使用されている歌にも注目して欲しい。

 長尾は「桐島が関係した事件のことはボヤッとしか覚えていません。捕まらずに逃げているというのは知っていたので、漠然と何をしてるのかな?と。だからそれを伴明監督が描かれるということに興味が湧きました」と話す。長尾は作品に出演していることも明かし、「見つけてください!」とアピールしていた。

 20代から70代までの桐島を、特殊メイクを使用せずに演じた毎熊は「70代いけるかな?と心配もありましたが、鏡に写った自分を見て、みえるなと(笑)。ヘアメイクの力に助けられたと思います」とスタッフに感謝。高橋監督は「今の男性は若い。70代になっても元気。ちょうど良かったんじゃないかな」と話した。

 最後に、北は「この作品を観て、現代に生きるひとりの人間として、すごく思うところがありました。いろいろな方に観ていただきたいです」。原田は「20代から70代までの桐島の生き方、いろんな背景や人間模様を楽しんでください」。

 毎熊は「出来るだけたくさんの方に観ていただきたい。事件を知らない人も観られる作品です。桐島の人柄に触れて、いい疑問を持って欲しい。普通の青春映画を観るつもりで観てください」とメッセージを送る。

 高橋監督は「なぜあの事件を起こしたのか? 疑問のままでOKだと思うんですね。分からないまま、こういう50年間の青春があったんだとそれぞれに受け止めてもらえば……」と客席に呼びかけた。

 (取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 配給:渋谷プロダクション
 2025年7月4日(金)より新宿武蔵野館ほかにて公開

(オフィシャル素材提供)

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