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パトリシア・マズィ監督による衝撃のネオ・ノワール!『サターン・ボウリング』本予告とメインビジュアル解禁

© Ex Nihilo – Les Films du fleuve – 2021

 現代のフランスを代表する映画監督のひとり、パトリシア・マズィ監督による最新作『サターン・ボウリング』が、2025年10月4日(土)よりユーロスペースほか全国にて劇場公開となる。今回は、家族の呪縛と暴力の連鎖を予感させる本予告と、赤と黒を基調にした不穏な緊張感を漂わせるメインビジュアルが解禁された。

父から継いだのは、ボウリング場と暴力性の呪縛
兄弟の周囲で発生する若い女性を狙った連続殺人事件……
現代に巣食う悪魔を炙り出す、衝撃のネオ・ノワール

 亡き父が遺したボウリング場の管理を、疎遠だった弟に託した警察官。だが彼らは気づいていなかった――自分たちが、父から“内なる暴力”までも受け継いでいたことに。〈有害な男性性の継承〉という現代的テーマに切り込み、暴力とトラウマの連鎖を浮き彫りにする衝撃作『サターン・ボウリング』。父親によって心に深い傷を負わされた異母兄弟を主人公に、家族の崩壊やネグレクトがもたらす負のスパイラルを寓話的な語り口で描いた、現代社会への鋭い問題提起とも言える作品が誕生した。

闇に舞うスカーフ、不穏なナレーション、怒りと涙を浮かべるアルマンの姿――。
狩猟たちの歌と祝杯が重なり、男性の暴力と支配欲が儀式のように浮かび上がる本予告解禁。

 この度解禁された予告編は、闇の駐車場でスカーフがひらめく不穏なショットから幕を開ける。「野生の雌オオカミがいた」「自然界の奇妙ないたずらによって」といったナレーションに続き、犬を連れて歩くアルマンの姿と「トラやヒョウと交尾を重ねた」「突然 凶暴になった」という言葉が重ねられる。やがて映像は、怒りに震え涙を浮かべる彼の表情へと切り替わる。

 舞台は、亡き父の遺産である赤いネオンが灯る地下のボウリング場。警察官の兄ギヨームは、それを職も家も持たない弟アルマンに託すと告げる。だがアルマンの返答はただひとこと――「条件がある 首を突っ込むな」。緊張が兄弟を隔て、街を震撼させる連続殺人事件へと結びついていく。

 さらに「“女性限定ナイト”を作り俺たちを排除している」と憤っていた父の狩猟仲間たちも、やがてアルマンに引き入れられ、ボウリング場に集う。酒を手に狩猟の歌を歌い上げる彼らの姿は、暴力と支配欲の象徴として不気味に浮かび上がる。その光景を前に、アルマンは衝動を滾らせ、内なる闇をさらに濃くしていく――といった内容になっている。

 そして、同時に解禁されたメインビジュアルは、ティザー同様、赤と黒を基調とした強烈なコントラストで構成されている。逆さに配置されたアルマンのアップは、ぎらついた眼差しで観る者を射抜き、不穏な緊張感を漂わせる。赤黒の色彩、逆さの構図、そして眼差しの強度が交錯し、物語の悲劇性を一枚に凝縮したビジュアルとなった。

 マズィ監督は本作について「とにかく悲劇を描いた」と語る。伝統的なサスペンスやフィルム・ノワールの骨格に、有害な男性性や暴力がもたらす悲劇を織り込み、さらに近年社会的関心を集めるネグレクトやフェミサイドの問題までも重ね合わせる。男性の抑圧と女性の排除、家庭の継承と断絶――作品に漂う不穏な空気は、現代社会の影を鋭く炙り出していく。

 本作は、ロカルノ国際映画際 2022 金獅子賞 ノミネート、「カイエ・デュ・シネマ」 2022年 ベストテン第6位に選ばれた、パトリシア・マズィ監督による長編第5作品目。そして本作がマズィ監督日本初公開作品となる。また、『落下の解剖学』などの撮影監督シモン・ボーフィスによる陰鬱で美しいカメラ、俳優の凄まじい演技によって強化されたグランジなネオ・ノワールの雰囲気は、マズィ監督がアートハウス・カルトの地位におさまらないことを示している。ニコラス・レイ、パク・チャヌク、大島渚などにオマージュを捧げながら、古典的なフィルム・ノワールの方法を踏襲し、かつてない衝撃とともに現代的な暴力の問題を炙り出す――。

© Ex Nihilo – Les Films du fleuve – 2021
公開表記

 配給:サンリスフィルム
 2025年10月4日(土)よりユーロスペースほか全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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