
戦後80年を迎える本年、戦争の記憶を次世代へと伝える新たなドキュメンタリー映画『満天の星』(配給:NAKACHIKA PICTURES)の全国公開が8月1日(金)に決定した。(沖縄先行公開:7月4日[金])監督は、「オシア ウコ」名義で、プロデューサーとして数々の作品をプロデュースし、本作が初監督作品となる葦澤 恒。そして、無名塾出身で数多くの映画や舞台、ドラマに出演してきた俳優・寿大 聡が共同で制作した。全国版のビジュアルも解禁されるとともに、一足先に映画を鑑賞した著名人の方々からコメントが続々到着! 対馬丸記念館館長、那覇市市議会議員、俳優やタレント、作家まで各界から「戦争と平和について考えた」「後世に残すべき作品」などの声が届いている。
1944年8月22日 あの日、海に沈んだのは日本の未来だった――
一夜で784人の子どもたちが命を落とした、戦時下史上最大の学童死亡事件「対馬丸事件」。当時、この悲劇は箝口令により徹底的に秘匿とされ、その詳細は長らく闇に包まれていた。
対馬丸事件の生存者である中島髙男は、事件当時「対馬丸」の甲板員として乗船しており、沈没の衝撃でバラバラになった筏を、暗闇の海上を泳いで一つひとつ探し、それらを繋げ7人を救助した。数日間の漂流の末、奇跡的に生還したが、その後も、事件に関する厳しい情報統制の中で苦しみ続けた。中島髙男を祖父に持つ俳優・寿大 聡は、祖父の死をきっかけにその足跡を辿り、事件の真相に迫る旅に出る。戦争の理不尽さ、そして人々の記憶に埋もれた真実を追求する中で、寿大の旅は戦地ウクライナにまで及ぶ。その旅の果てで私たちが見るものとは。
コメント一覧
対馬丸記念館館長/平良 次子
生死を分ける壮絶な体験から生存者となった人を肉親に持つと、自分の生き方に少なからず生きる指針や運命というのを意識するものかもしれない。寿大 聡さんのお祖父様の中島髙男さんは対馬丸の甲板員であったことから、戦時中の人間の姿を知ろう、戦争の歴史が今何を伝えているのか探そう、という旅の映画になったのだと思う。
ドキュメンタリー監督/大島 新
当事者たちの証言は生々しく、後世に残す記録として極めて貴重だ。その上で「こんな伝え方もあったか」と、驚かされる。若い世代ならではであり、だからこそ頼もしい。
タレント/清水 国明
何よりも平和を望んでいる人たちが、命を奪い合う戦争の渦中にいた。大切な人を殺された恨みと、自らの命を失う恐怖。それが増幅され連鎖して、望まない戦いを招いている。
今年、極寒のウクライナを訪れて、私は寒さだけではなく、震えていた。平和にボケていても、一瞬で武器を取り戦地へ向かう危うさが、自分の中にも潜んでいることに気づいたのだ。恨みと恐怖で操られないためには、「つながり」しかないという確信を得て、帰国した。罪のない疎開児童の船を沈められた恨みと恐怖を増幅させてはいけない。同じ命の「つながり」を知れば、砲弾のスイッチは押せない。「つながり」の欠如が争いを招く。より多くの「つながり」を求めて私は今、全国つながりライブの旅に出ている。
俳優/井浦 新
小学生の時に対馬丸の本を読んで、同じ歳の子どもたちに起きた実話と知り、心が震え居ても立っても居られなくて紙芝居をつくりクラスで友達と発表したことがあります。これは小説や映画の台本ではなく、第二次世界大戦下の日本で実際に起きたあってはならない戦争被害で、その苦しみや恐怖は今も続いています。
それなのに、いまだに戦争を起こし大勢の犠牲者をもたらしている。だからこそ、対馬丸で起きたことは尚更忘れてはいけないし、知ることで、今とこれからの教訓にしなければならない。全ての人が平等に幸福で戦争のない未来にしていくためにも、たくさんの人に観てもらい知って欲しいと心から思います。
そしてこの作品は、戦争を知らない世代の私たちが、戦争の愚かさや恐怖や悲惨さをどのように学び感じながら、しっかり継承し伝えていくのか。それを模索しながらも挑戦を諦めない姿を映した、素晴らしいドキュメンタリーであるとも思います。
俳優/津田 寛治
魂を賭して壮絶な戦争体験を伝える語り部。教科書には書かれていないその真実を、僕たちは戦争も知らないまま語り部となって後世に引き継げるのか。そんな問いに本作は、俳優である寿大 聡さんを通して力強く答えてくれました。若い人に観て貰いたい映画です。
俳優/加藤 雅也
対馬丸の生存者が語る言葉には、文章では到底伝えきれない凄絶な光景が宿っている。
彼らの目に焼きついたその瞬間は、まさに「もう一つのタイタニック号事件だ!」。この作品は、戦争の背後に埋もれた名もなき犠牲者たちの存在に改めて気づかされる映画だ。
エグゼクティブプロデューサー/ジェームス 文護
「平和」の反意語は「戦争」ではない。
「平和」とは秩序ある状態で、心安寧に過ごせること。これの反意語は「混沌、カオス」だと思う。
「戦争」とは軍隊同士の戦いであり、国家が外交交渉で決着を得ない場合の最終かつ究極の外交手段であって、「戦争」に反意語はない。戦争状態に陥ると、一般市民を無差別に殺戮する「戦争犯罪」が起こりやすくなってしまう。対馬丸事件は太平洋戦争下で起きた悲劇だが、原爆投下、東京大空襲などと同様に、憎むべき「戦争犯罪」であると私は感じる。映画「満天の星」は後世に語り継がれるべき戦争犯罪の事実として、愚直なほど真摯に表現している。
人々が秩序ある世界で心安寧に暮らせる日が一日でも早く来ることを切に願う。
株式会社オーム電機・代表取締役/新里 彩
私たちは戦争を知らない。
そこで起こった事実を前に、正義や建前、ましてや解釈の違いなど、何の意味も持たないのだと、この映画は教えてくれる。これが、戦争だと。
対馬丸事件を追体験するドキュメンタリー映画『満天の星』ラストのメッセージを胸に刻みたい。繩—』では清役をやらせていただき、『満天の星』では、ナレーションを担当させていただきました。諏訪プロデューサーから連絡をもらった時は、とても運命を感じました。そして、心を込めてナレーションをやらせていただきました。「対馬丸で起こったことは、後世に伝えていく必要がある」この作品を語るには、この言葉がピッタリです。
公開表記
配給:NAKACHIKA PICTURES
8/1(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開/7月4日(金) 沖縄先行公開
(オフィシャル素材提供)