インタビュー

『ゲティ家の身代金』リドリー・スコット監督 オフィシャル・インタビュー

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 フォーチュン誌によって、世界で初めての億万長者に認定された石油王ジャン・ポール・ゲティ。1973年ローマで彼の孫が誘拐され、当時史上最高額とも祝える身代金を要求されたものの、その支払いを拒否した世界一有名な誘拐事件が、巨匠リドリー・スコットの手によりついに映画化。『ゲティ家の身代金が、ついに本日5月25日(金)に日本公開となる。このたび、『ゲティ家の身代金』のメガホンをとった巨匠リドリー・スコット監督のインタビューが到着した。

リドリー・スコット監督

 1937年11月30日生まれ。
 イギリスBBC入社後、ドキュメンタリーやTVドラマの演出しキャリアを積む。その後制作会社を立ち上げ、数多くのCMを手掛ける。
 1977年、『デュエリスト/決闘者』で映画監督デビュー、同作でカンヌ国際映画祭にて新人監督賞を受賞する。SFホラー『エイリアン』(1979)が全世界で大ヒットし、活動拠点をハリウッドに移す。
 1982年にはSF映画の金字塔『ブレードランナー』を監督する。また、日本を舞台にマイケル・ダグラス、高倉 健、松田優作らを起用した『ブラックレイン』(89)、アカデミー賞®作品賞を受賞した『グラディエーター』(00)などがある。
 近作にはクリス・エヴァンス出演の家族ドラマ『gifted/ギフテッド』(17)がある。
 その他、『グラディエーター』と『テルマ&ルイーズ』(91)、『ブラックホーク・ダウン』(01)ではアカデミー賞®監督賞にノミネートされた。
 その他、『ハンニバル』(01)、『アメリカン・ギャングスター』(07)、『ワールド・オブ・ライズ』(08)、『オデッセイ』(15)、『エイリアン:コヴェナント』(17)など、80歳を超えた現在も精力的に活動している。
 本作ではゴールデン・グローブ賞監督賞にノミネートされた。弟の故トニー・スコットも映画監督。

驚異的なスピードで再撮を決定なさって、当初の予定通り年内公開、というのが信じられませんでした。この奇跡を可能にしたのは一体なんだと思いますか?

 素晴らしい効率の良さと、たくさんの経験だよ。そこには何のマジックもない。やっていることをちゃんと分かっていることだ。私にはすごく経験がある。(最終的に)やらないといけないことが分かっていた。それは、基本的にケヴィン・スペイシーを入れ替えることだった。さもなければこの映画は消え去ってしまっただろう。このままではスタジオは、この映画にプリント代や広告費をかけないからね。公開日に行き着く前に死んでしまっただろう。私のパートナーや私に、そういうことを起こさせることは出来なかった。なぜなら、(製作費を出したのは)ソニーじゃないからだよ。プライベートの投資家なんだ。だから私は彼のところに行って、「私たちはこれを直せる。誰をキャストし直すことが出来るかわかっている。再撮をして、予定通りに公開できるよ」と言ったんだ。私にはそれを出来ることが分かっていた。なぜなら私のチームは、どんなことでもとてもうまく出来るからだよ。彼らはとても優れている。正確さがとても大事なんだ。

クリストファー・プラマーのことをすぐに思いついたんですか?

 クリストファー・プラマーの名前は常に候補者のリストにあった。かなり前にこのプロジェクトをやっていた時にね。実は、このプロジェクトを始めたのは多分、5月か6月なんだ。とても早く製作が進んだんだ。リストには2人しか載っていなかった。ケヴィン・スペイシーとクリストファー・プラマーだ。それで、私はクリストファーに電話をかけたんだ。

これは、世界一裕福な男がターゲットとなった世紀の大誘拐でした。

 そうだね。

そのためにスキャンダラスに語られてきた実在の事件を映像化するにあたって、最も焦点を当てて描きたかったのはどんな点でしたか?

 私は、事実に基づいたストーリーが好きなんだ。ほとんどジャーナリズムのようなストーリーが好きだ。私がこれまでに手がけた他のジャーナリスティックな映画は、多分『アメリカン・ギャングスター』だ。『ブラック・ホークダウン』もそうかもしれない。それから間違いなく今作だ。
 今作はジャーナリスティックな扱いが要求される。それは、私が普段やっていることと違うものだよ。なぜなら、私はたくさんサイエンス・フィクションをやるからだ。いろんな作品をやる。多様性のあるものをね。でも、私は、今についての題材をやるのが好きなんだ。現代社会について。今日についてのものを。
 これは、70年代に私が経験したシンドロームだった。私はこの事件のことをとてもよく知っていた。なぜなら、私はロンドンで、60年代、70年代、とても楽しい時を過ごしたからだよ。だから、それに関わった人々を何人か知っていた。もちろん、とても興味を持った。でも、私が企画開発したわけじゃない。脚本が送られて来たんだ。

2017年公開作、そして今後アナウンスされるものも含め、監督、プロデューサーとして膨大な数の作品を手がけていらっしゃいます。そのペースが年々加速しているようにも感じます。その原動力は一体何でしょうか?

 それもまた経験だと思うよ。じっくり考えないことを学ぶんだ。くよくよ考えない。ただやるんだよ。今作で(ケヴィン・スペイシーとクリストファー・プラマーを)入れ替えたように、じっくり考えていないで、(その問題を解決するために)何か実際にやることだ。最も大変で最も困難なことは、どんな題材であっても、それを書くことだよ。一旦、それが脚本に書かれて、その題材についてのビジョンがあれば、フィルムメーカーやライターの見方によって、どんなことでも興味深いものになる。だから私は多くの映画を手がけているんだ。自分がやっていることが大好きだからだよ。

最後に、日本のファンにメッセージをいただけますか? 今作の最大の見どころは何でしょうか?

 この映画は、みんなが考えているものじゃないと思う。裁判事件であるとか、トーキングヘッズ(画面に語り手の顔が出てくるもの)じゃないんだ。今作には、とてもストレスフルで、時にはかなり暴力的なところが出てくる。多くの意味で、それは家族の崩壊についてのストーリーなんだ。でもまた、子どものために立ち向かったこの女性の人生におけるとても緊張した瞬間だ。ミシェル・ウィリアムズによって演じられたこの女性の意志の強さや勇気は、最も重要なものだ。ファンタスティックだよ。

公開表記

 配給:KADOKAWA
 2018年5月25日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

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