イベント・舞台挨拶

『ベイビーわるきゅーれ』初日舞台挨拶

©2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会

 社会不適合者な“元女子高生”殺し屋コンビが社会に馴染もうと頑張る異色の青春映画『ベイビーわるきゅーれ』。この度、初日舞台挨拶にキャストと監督が登壇。本作に出演もしている人力舎所属のお笑いコンビのラバーガールが司会を務め、話題のメイド喫茶のシーンやアクションについて聞いた。

 冒頭、本作で映画初主演となった髙石あかりは「このステージにこの皆様と立て、映画の初日ということもあって、女優さんとしてすごく特別な1日になりました。今日はすごく楽しみにしていました」と初々しく挨拶。

 なんと、秋谷百音の冒頭の挨拶を聞くまで、隣にいるマスクの女性が、自分の娘役を演じた役者だと気づかなかった本宮泰風は、「さっき裏で一緒にいたけれど、全然分からなかった。全然雰囲気が違う」と言い、会場は大爆笑!

 本作で初主演を飾った、スタントパフォーマーの伊澤彩織は、ドイツで撮影中で、本日欠席となり、手紙が代読された。
 「奇遇なことに、(タイトルの)『ワルキューレ』も、あかりちゃんと2人で歌った挿入歌のタイトル『らぐなろっく』もドイツ語なんです。『ワルキューレ』は戦士の神、オーディンに仕える武装した乙女たちのことで、ドイツ語で『死者を選ぶ女』を意味するそうです。この作品がクランクインする前、 監督から送られてくるタイトルが6回くらい変わった」とのことで、監督は「最初は「『JKわるきゅーれ』みたいにしようかという話もあったけれど、JKはよくない単語だと言われた。『わるきゅーれ』はずっと変わらず、それこそ天からの授かりものです」と話した。

 本作で、W主演の髙石と伊澤のお二人とも映画初主演。二人の魅力を聞かれた監督は、「こんな役者がいたんや!というか、それぞれが面白いキャラクターで、二人は当て書きではないですけれど、前の現場の様子をそのまま脚本に入れています。髙石さんは熱しやすく冷めやすくというキャラクターを当ててみたりとか、伊澤さんはおどおどしている感じだったので、こういうのがやりやすいだろうなと思って作った結果、凸凹ががっつりはまりました。菅田将暉さんと小松菜奈さんみたいに、男女で邦画でよく見る二人とかっているじゃないですか。それに匹敵する、髙石あかりの隣には伊澤彩織にいてほしいみたいに相性がバッチリあったと思いました」と解説した。

 髙石は、「前作でご一緒した時から、話のテンポ感とかが合って、今回二人で主演と聞いて、楽しみの方が大きくて、またやれたことがすごく光栄です」と言い、ラバーガール飛永は「僕は主演の二人とのシーンがあったんですけれど、二人の中に異物感のおじさんが入っている感じがした」と現場の印象を語った。

 髙石はガン・アクションのシーンも。「こんなに本格的なアクションは初めてだったので、園村さんに立ち方や銃を撃った後の反動まで細かく教えていてだいて、0から作ったような感じです。伊澤さんが、出ていないシーンのモニターもわざわざ見に来てくれて、つきっきりで教えてくださいました。すごく優しい方でした」とカメラの裏側でもいいコンビだったことをうかがわせた。

 髙石は、伊澤と三元のラストのアクション・シーンを現場で見ていなかったそうで、「試写で観て、こんなに感動するアクションというのを初めて体感して泣きそうになりました。なんでこう涙が出てくるんだろうというような感覚で、不思議な感覚でした」と話した。

 劇中、伊澤と対決した三元は、「彼女は普段はスタントマンをやっているんですけれど、芝居もよくて、スタントの業界の中でも彼女はトップレベルなんです。なので、彼女を女性だと思わずに、本気でばちばちやりました。いいものにしたいという彼女の思いが伝わってきたので、多少ヒットがありました」と裏話を明かした。

 三元は伊澤について、「映画やテレビだけでなく、PVやゲームの仕事もあるんですけれど、彼女はほとんどヒロインの役をやっているので、本作で初主演で、今日来られなかったのは残念。けれど、いい門出になったと思います」と感慨深げ。

 監督は、ラストのアクション・シーンについて、「本当にありえないことが目の前で起きていました。ワイヤーやCGもなく、超能力バトルでもなく、リアルな戦いなんですけれど、超人同士の戦いが起こるようでした。カウントで『1、2、3、4』の『1、2、3』はアドリブで、4で決まっている殺陣に戻るということをやっていて、『1、2、3』を本当に打ち合っていた」と話し、三元も、「はい、アドリブで」と証言。「それが撮れた時にすっげーってみんなで拍手になりました。型だけ覚えてという人ではできない、戦闘者二人が戦っているのがカメラに収まっているというようなラスト・バトルになっています」と太鼓判を押した。

 三元は本作のアクション監督の園村健介と主演作『HYDRA(ヒドラ)』等でもご一緒している。園村が作ったアクションについては、「生っぽさを追求する方です。逆に生を出すために、きっちりするんです。伊澤ちゃんは、左手でパンチを打つというだけの練習を数時間数日間やらされたんですって。これをやれていないと、バチバチバチというアクションができない」と話すと、ラバーガールの2人は「『ベストキッド』の世界!」と驚愕!

 本作は、高校を卒業したばかりの殺し屋コンビが、社会に馴染もうと頑張る映画で、アクションだけでなく、公共料金の支払いもままならないグダグダなプライベートのオフビートのコメディ部分が面白い。飛永は、「この映画の特徴といえば、かっこいいシーンもあれば、(殺し屋の)プライベートのユルいシーン」と指摘。

 監督は、「キャラクター重視で撮ろうとは最初から思っていました。殺し屋の家の中のシーンというのは、本当はカメラが入らないというか、ほんまだったらいらないような、『洗濯機が壊れてめっちゃ喧嘩する』だとか、殺し屋の映画だったら絶対カットするような場面を中心に入れて、個性を出して、際立つように作っていきました」とこだわりについて言及し、「本当に素晴らしい映画になりました!」と自画自賛!

 ヤクザのボスを演じる本宮は、印象に残ったシーンについて、「これ言っちゃうと……、ネタバレになっちゃうしね。俺がみんな殺しちゃうところとか」と言い、監督が、「(実際は)ないシーン!」とツッコむ場面も!

 本宮は、「監督が全然俺の目を見て話してくれなくて。才能のある、映像で見せる表現に長けた監督って、どこかちょっと欠けたところがあるからかなと思っていたら、俺以外の女性陣とかとがっちり会話してて、『俺だけなんだ。あーよかった』と思って」と拗ねたような場面も。

 本宮演じるヤクザのボスの娘・ひまり役を演じた秋谷は、本宮について、「お芝居じゃないところだとか、お芝居もなんですけれど、すごいオーラもあるし、本当にヤクザのボスみたいな雰囲気」と証言。「ご一緒のシーンで厚底の靴を履いていた時に、こけそうになったら、すっと支えて下さったり、たぶん無意識なんですけれど、裏でもかっこよかった」と裏話を披露した。

 秋谷は、「殺し屋のお二人もかわいいんですけれど、浜岡家も結構かわいいシーンがあるので、ぜひ観ていただきたいです」と話し、監督も「あまり見ないヤクザ像じゃないですけれど、結構攻めた作品なので、観ていただきたいです」と加えた。

 MCのラバーガールの飛永は、「実は我々二人もキャストとして出演していて、僕・飛永、殺し屋組織のマネージャー役です」と言うと、同じくMCを担当した大水は「主演を務めさせていただいています」とジョークを飛ばし、会場は笑いの渦に。実際はコンビニの店長役の大水は、「役作りをするにあたって、「デニーロ・アプローチで歯を全部抜いた」と言い、飛永が「コンビニ店長の役でですか?」と突っ込むと、大水は「コンビニ店長は歯があったほうがいいなと思って、もう1回全部入れ直しました。体重も30キロ落として、戻しました」とジョークを飛ばした。

 最後に伊澤は手紙のラストで、「『ベイビーわるきゅーれ』が今日ついにここから、始まります。このはじまりを見届けてくれている皆さまの第一声から広がって、日本各地、世界各国までこの映画が届くように一緒に育ててもらえたら嬉しいです。阪元監督の会話劇と園村アクション監督が作った尋常ではないアクションの融合を、ごゆっくりご堪能ください!」と、阪元監督は、「オリジナルで自分で書かせていただいて、自分が本当に好きな映画が撮れたなと実感できる作品になっていますので、SNSだったりでどんどん映画が広まって、いろいろな人に届いたらと思います」とメッセージを送った。

公開表記

配給:渋谷プロダクション
テアトル新宿ほか全国順次公開中

(オフィシャル素材提供)

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