インタビュー

『BAD CITY』園村健介監督 オフィシャル・インタビュー

©2022「BAD CITY」製作委員会

 小沢仁志の還暦記念映画として、スペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭、ポルトガルのポルト国際映画祭、アメリカのオースティン・ファンタスティック映画祭など、権威のある映画祭に続々と招待されている、本格アクション映画『BAD CITY』。
 この度、監督デビュー作『HYDRA』(2019)が海外映画祭でも評価され、アクション監督を務めた『ベイビーわるきゅーれ』がロングランヒットとなった園村健介のオフィシャル・インタビューが到着した。

園村健介監督

 1981年生まれ、宮城県出身。
 学生時代に倉田アクションクラブに入団、スタントの基礎を学ぶ。退団後、フリーの時期を経て2003年ユーデンフレームワークスに所属。数々の作品でスタントプレイヤーとして活動しつつ06年、『LOVE DEATH』にてアクション監督としてデビュー。その後は映画、TV、ゲーム等でアクション監督として活動中。
 アクション監督を務めた主な作品に『THE NEXT GENERATION パトレイバー』(15)、『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』(16)、フルCG映画『バイオハザード』シリーズ(08、12、17)、ゲーム「メタルギアライジングリベンジェンス」(13)、『ベイビーわるきゅーれ』(21)、『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(23)等。
 監督デビュー作『HYDRA』(19)は多数の海外映画祭に正式招待され好評を得る。『東京無国籍少女』(15)、『マンハント』(17)にてジャパンアクションアワードベストアクション監督賞受賞。

本作の監督を担当することになった経緯を教えてください

 山口祥行さんからの紹介でした。山口さんには、ずっと前からお世話になっていて、僕の1本目の監督作品の時も劇場に観に来てくれていたんです。
 ある日、山口さんから急に電話が来て、「紹介したい人がいるから変わるね」と言われ、電話越しに凄みのある声が聞こえてきて……一瞬でこれは小沢さんの声だというのが分かって、電話越しに姿勢を正していました(笑)。それで小沢さんがアクションものをやりたいということで、「アクションの撮れる監督を探しているけどお前どうだ?」と。脊髄反射的に「やります」と言っていたと思います(笑)。

実際に小沢さんとのお仕事はいかがでしたか?

 撮影の分量が多かったので、大変な部分もありましたけど、僕がやっているスタイルと小沢さんから出てくるエネルギーみたいなものが上手く融合できた気がします。小沢さんはこちらに対して完全に任せてくださりつつ僕が困っている時には助け舟を出してくださったりと時間のない中で、ノンストレスで撮影することができました。

今回はアクションを得意とされている方たちも多かったじゃないですか。小沢さんのような、怖いもの知らずの方もいらっしゃって、普段よりはセーフティーというところを心配せずにもう少し踏み込んでやれる部分はあったりしたんですか?

 ありましたね。多少当たってもそういうものでしょうという認識がある方たちが多かったので、リスキーなアクション・シーンも作りやすかったです。撮影は、冬だったのもあって日照時間も短かったんで、廊下で拡声器で殴るアクション・シーンをカットするかもと小沢さんに話したんです。そうしたら、「これだけは絶対撮影すべき」と言っていただいて。他の作品では、アクション・シーンって無くても成立しちゃうので、「先に芝居を撮って、残った時間でアクションをお願いします」というのが多くて、アクションを作っても結構カットになることが多いんですが、今回、僕が撮るということはアクションを観に来る人が多いと思うので、なるべくアクション優先で撮りました。

アクションを演出する中で、若手俳優と比べて40、50代って違うなという部分ありましたか?

 やっぱり若い頃は思うように体が動いていたものが、年齢と共に追いつかなくなる部分もありますよね。それでもやるみたいな気合いがすごいわけで。さらに今回の方々は百戦錬磨の猛者なので経験値が普通の役者さんの比じゃなく、経験で簡単にカバーできてしまう。小沢さんが階段落ちするシーンがあるんですが、小沢さんが自分でやりたいと言ってサポーターとか全部自前のものを持って来てやったんです。普通に転がるのも面白くなかったので、一回引きずられて背中で滑ってからもう一度落ちるという二段階方式をやって、さらに落ちた後も戦い続ける。本当にすごかったですね。

監督は『ベイビーわるきゅーれ』で、女性のアクションをすごくカッコよく作られていましたね。今回は、坂ノ上茜さんが強行班の1人として活躍しています。女性のアクションを演出する上で、なにかこだわりはあるのでしょうか?

 ぼくの中では結構あります。女優さんは華奢な方が多く、例えば大男を華麗なキック一発で倒すとか、そういうものは現実離れしていると冷めた目で見られてしまうので、僕はフィジカル的な差をどう埋めるかというところで女性ならではの戦略の立て方で大きい男性を倒す説得力を出せるように意識しています。

後に監督は、どんなところを観客の皆さんに楽しんでもらいたいですか?

 ラストのアクション・シーンはお客さんも皆一緒に「頑張れ」と思いながら応援できると思うんですよね。主人公の虎田はもちろんですが、ほかのメンバーに比べて体格的にも体力的にも差があるにもかかわらず頑張ってついていかないといけないという状況で頑張る野原も応援して欲しいなって思います。

(オフィシャル素材提供)

公開表記

 配給・宣伝:渋谷プロダクション
 福岡先行上映中
 1月20日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開

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