イベント・舞台挨拶

映画『アイスクリームフィーバー』トークイベント付き特別試写会

©2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会

 広告、ファッション、TVドラマ、企業ブランディングなどさまざまなフィールドで活躍するアートディレクター、千原徹也の初監督作品『アイスクリームフィーバー』が7月14日(金)より、TOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほかにて全国ロードショーとなる。
 この度、本作のロケ地でもある人気老舗銭湯・小杉湯にて、千原徹也監督、片桐はいり登壇のトークイベント付き特別試写会が実施された。
 松本まりか演じる優が足繁く通う銭湯として登場する小杉湯では、本作とコラボレーションしたさまざまな企画が進行中。玄関や待合室に本作の写真パネルの展示やトレーラー映像の投影、さらには映画をイメージしたお湯に浸かれる“イベント風呂”の開催も控えるなど、『アイスクリームフィーバー』一色となっている。

 そんな小杉湯で行われた特別試写会の上映後に千原徹也監督が登場。本編を観終えたばかりの観客に向け挨拶の言葉を述べながら、本作の成り立ちについて、4年前に企画を考え、原案となった『アイスクリーム熱』の著者・川上未映子に声をかけたところから企画がスタートしたと話す監督。「当初、川上さんは映画のお話は全部断っていると聞いていたので、なんでOKをいただけたのかと(笑)」と笑いまじりに当時の心境を回顧。原案となった『アイスクリーム熱』は川上からの提案だったと言い、「何か特別なことが起きる話ではないけれど、テーマにしてみたら面白いかもね、という話になって、チャレンジすることになりました」と背景を明かしていた。

 そうして進んだ本作だが、映像化にあたり「小説は文章だけで物語がどんどん展開されていく面白さがあるけれど、映像にするときはあまり説明しないほうが小説に対するリスペクトがあるんじゃないかと思った」という監督なりのこだわりを持って撮影に挑んだという。当初は今よりも主人公・菜摘(吉岡里帆)によるモノローグも多かったそうだが、「最終的には(モノローグを)外していって、説明しすぎないことによって、川上さんが目指したものに近づけたんじゃないかなと」と振り返る。さらに、「僕は映画に対して、“こう思ってもらいたい”みたいなものは特になくて、“なんか良かったよね”って言ってもらえるのが一番いいなと思っているんですね」と監督としての想いを明かし、「人が死んだり、何か大きな問題が解決するとかそういう話ではなくて、毎日起きているようなこと。自分の日常に当てはまるような、皆さんが一度は体感したことのあるようなことだけれど、“なんか良かったな”と思えるような作品になっていたらいいなと思います」と観客に語りかけていた。

 また、トークは本作を飾る音楽の話題に。本作の主題歌を吉澤嘉代子(『氷菓子』)、エンディングテーマを小沢健二(『春にして君を想う』)が担当しているが、音楽についても並々ならぬこだわりがあったという監督。「僕は劇中に歌が流れるということをやりたかったんです。『恋する惑星』という作品でフェイ・ウォンの『夢中人』が流れるんですが、それがすごくいいなと思っていて。吉澤さんには、“あのシーンで主題歌が流れるよ”というのを伝えた上で楽曲を依頼させてもらったんです」と明かしつつ、「“サビのシーンで二人(吉岡演じる菜摘とモトーラ演じる佐保)は手を繋ぐよ”とか、細かく伝えていました。当の本人(吉澤)はノイローゼになるくらい悩んでいましたが……(笑)」と主題歌が誕生するまでの貴重なエピソードも披露していた。

 トークの後半では、監督から銭湯の店主・晴恵役として出演する片桐はいりも一般客とともに試写を鑑賞していたことが明かされ、会場からは大きな拍手が湧き起こる場面も!
 「銭湯で映画が見られるなんてと思って、一緒に鑑賞させていただきました。銭湯とアイスクリームが妙にハマるんだなと感動しました」と感想を語る片桐。劇中では晴恵が銭湯の掃除をするシーンも登場するが、「あのシーンの撮影をしていたのは冬だったんですよね。あの時は裸足だったからとても寒かったんですけど、普段はこんなにあったかいんですね」と笑みをこぼしながら当時を懐かしんでいた。

 さらに本作のロケ地であり、今回の試写会場となった小杉湯 三代目店主の平松佑介氏も、「本作のコピー“わたしたちの人生は、やさしくつながっている”という言葉が、とても印象的で。小さいけれどやさしくつながっていくというのが、皆さんと今日のような時間を共有できたことだと思いますし、これから小杉湯を経営していく上でも支えになるような言葉だなと。今日の感想をぜひ周りの方にも伝えていただいて、映画を盛り上げていけたら」と熱い想いを語っていた。

 そしてトークの最後には監督から観客に向け、「来週からいよいよ公開になります。今日はプロジェクターを通してご覧いただきましたが、映画館の最高な音響で観れば今日の3倍は楽しんでいただけるかと思います」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。

 登壇者:千原徹也監督、片桐はいり

公開表記

 配給:パルコ
 7月14日(金) TOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイント他にて全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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