イベント・舞台挨拶

『658km、陽子の旅』公開記念舞台挨拶

©2022「658km、陽子の旅」製作委員会

 第25回上海国際映画祭で最優秀作品賞 最優秀女優賞 最優秀脚本賞をトリプル受賞した映画『658Km、陽子の旅』がついに全国公開! 公開翌日の7月29日(土)には都内映画館で公開記念舞台挨拶が行われ、主演の菊地凛子、共演の竹原ピストル、浜野謙太、オダギリジョー、熊切和嘉監督が参加した。

 チケット完売の満員御礼で迎えた上映後の舞台挨拶。主人公・陽子役の菊地は「自分にとっても宝物のような作品になりました」と感慨を伝えていた。映画『空の穴』(2001年)以来22年ぶりとなる菊地とのタッグに熊切監督も「菊地さんが『バベル』や『パシフィック・リム』で世界的俳優になって嬉しい反面、自分が菊地さんの代表作を撮り損ねたような悔しさがありました。遠い存在だった菊地さんとこうして映画を再び撮れて夢のような時間でした」と再会にしみじみしていた。

 主演作『空の穴』で熊切監督から映画の楽しさを教わったという菊地は「自分を拾ってくれた熊切監督が『一緒にやろう』と言ってくださったのは何よりも嬉しくて、自分も約20年間諦めずにやってこられたからこそ声をかけていただけたと思います。それがこうしてこの日まで辿り着けたというのは感謝でいっぱいです」と再タッグに喜び。本作は一人の女性の再生を描いた物語だが「自分自身も映画に救われ、どんなことがあっても映画を観て前向きにやって来たので嬉しい」と役柄と自分の境遇を重ね合わせて感極まり「急にスイッチが入ると情緒不安定な人みたい……」と泣き笑いだった。

 一方、10年ほど前にMV撮影で熊切監督と出会っていたという竹原は「その時に観たのが『空の穴』。そこから時を経て菊地さんと共演させていただくという巡り合わせの不思議さにジーンと来る撮影の日々でした」と感動。

 クズ男を演じた浜野は「熊切監督からは『普段のままで演じてほしい』と言われて 。俺のことをそういう目で見ていたのかと思った。マネジャーから台本を渡されたときも『クズ役です』と言われた」と笑わせ、熊切監督から「物腰の柔らかい優しい方が悪役として面白い存在感が出ると思った」と真意を告げられると「事前にそこまで聞きたかった~」とホッとしていた。

 陽子の父親を演じたオダギリは菊地の印象を聞かれると、挨拶中に感極まった菊地の姿を挙げて「あのような感性は女優さんには必要。羨ましさを感じる」と惚れ惚れ。菊地は「オダギリさんは独特な空気をまとっている方。オダギリさんの後にしゃべろうとすると穏やかな感じに引っ張られるので、陽子は陽子だ。なと思いながら演じていました。父親役がオダギリさんで良かったと心から思います」と温厚な人柄に感謝していた。

 また映画の内容にちなんで「間に合ったこと」「間に合わなかったこと」のお題でトーク。せっかちな性格という竹原は「僕は早めに行動してきたので間に合わなかったことはありません!」と断言。そしてオダギリは差し入れのドーナツを持って帰って翌朝に食べようとしたエピソードとして「ドーナツを明日の朝食べるというワクワクが高ぶった結果、6時起きなのにトイレに行った朝の3時頃に食べてしまった。気持ちが焦りすぎて間に合ったどころか生き急いでしまった」と明かした。浜野は「下の娘の命名。妻の案よりもいい名前が思いつかず。間に合わなかった!」とパパとしての顔をのぞかせた。

 一方、菊地は第25回上海国際映画祭での出来事として「宣伝費もカツカツだったので授賞式が終了したらすぐに飛行機に乗って帰るスケジュールでした。帰りの飛行機に間に合うように急いでトイレで着替えて、トロフィーや賞状もそのまま抱える形で空港に。周囲からは『まるで窃盗団みたい』と言われました。間に合わないと思ったものの、結局飛行機も遅れて無事に間に合いました」とドタバタな舞台裏を振り返っていた。

 最後に熊切監督は「清らかな気持ちで撮れた映画で、何かを感じてもらえたら嬉しいです」とアピール。

 菊地は「私は陽子と同じ年齢で、あと何役出来るかと不安を抱えていたときに、この作品のお話をいただきました。皆さんに観ていただくことが自分の糧になり、映画とは観ていただくことで育っていくものです。たくさんの方々に共有していただければ嬉しいです」と大ヒットを祈願していた。

 登壇者:菊地凛子、竹原ピストル、浜野謙太、オダギリジョー、熊切和嘉監督

公開表記

 配給・宣伝:カルチュア・パブリッシャーズ
 ユーロスペース、テアトル新宿他全国順次絶賛上映中

 (オフィシャル素材提供)

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