イベント・舞台挨拶

『市子』公開記念舞台挨拶

©2023 映画「市子」製作委員会

 抗えない過酷な宿命を背負ったひとりの女性・川辺市子の切なくも壮絶な人生を描いた映画『市子』が、現在大ヒット公開中!
12月17日(日)に都内映画館でQ&A付きの大ヒット御礼舞台挨拶が実施され、主演の杉咲 花と戸田彬弘監督が登壇した。

 主人公・川辺市子を演じた杉咲は、念願の大ヒット・スタートを記録していることに「感無量です。今日もこの光景に胸がいっぱいです。この映画に出合えたことは自分にとって財産です。嬉しいの一言に尽きます」と満席の会場に向かって感激しきり。原作となった舞台を自ら映画化した戸田監督は「想像以上の反響が続々と届いていて、この作品が広がっている実感があって驚いています」と大ヒットを噛み締めていた。

 さらに、来年1月にスウェーデンで開催される北欧最大の映画祭、ヨーテボリ国際映画祭のコンペティション部門に出品が決定したことが明かされた。このヨーロッパ・プレミアに杉咲は喜色満面で「この映画がどんなふうに受け取ってもらえるのか、そして一人でも多くの方にこの映画を観てもらえる機会が増えたことが何よりも嬉しいです」と声を弾ませた。戸田監督は「北欧……プライベートで行ってみたかったので行きたいです(笑)。アジアではないヨーロッパという文化の違う場所で、どのように本作が受け止められるのか気になります」と現地参加を望んでいた。

 そして観客とのQ&Aの流れに。杉咲がヒロインを演じた朝ドラ「おちょやん」での大阪弁との違いについて聞かれた杉咲は「『おちょやん』の時は100年前の大阪言葉で、『市子』では時代も変わっているのでイントネーションが変わったセリフも多かったです。自分のことを“うち”と言う時のイントネーションの変化を話し合ったりしました」と舞台裏を回想。関西出身の戸田監督は「自分に向くときの“うち”と外に放つときの“うち”ではイントネーションの矢印が変わるんですよね」と細かいこだわりを明かした。

 本作での杉咲は高校時代から28歳までを演じているが「演じる上で年齢設定を意識したことはなくて、撮影前に監督がくれた年表にはその時の市子がどのような状態にあるのかが書いてあったので、そこで把握することができました。相手が変わるごとに市子も自然と変化していくような感覚でした」と杉咲。夏の撮影も功を奏したそうで「その時の暑さやだるさみたいなものが市子を演じる上で作用していました。あの時期に撮影ができて幸せでした」と振り返った。

 また撮影時の市子と自分の切り替えについて杉咲は「引力のある作品なので心を侵食されるような瞬間もありました。そんな時こそ、市子と距離を置くようにしていました。自分は市子だと思いすぎて過ごすと市子を分かった気になってしまうので、それを避けるために撮影以外では自分の感覚に素直でいることを心がけていました」と工夫していた点を明かした。

 市子の母を演じた中村ゆりと杉咲は9年前にも親子役で共演。「久しぶりの再会で縁を感じていました。ゆりさんと自分との間に繋がりを感じながらカメラの前に立つことができて、しかもゆりさんはそこに住んでいる人のようにその場に存在される方なので、気づいたら自分も母としてゆりさんを捉えているような感覚でした」と感謝の意を述べた。

 最後に、本作の大ヒットと本編で花が好きだと語る市子、また杉咲 花が主演ということにかけて戸田監督が杉咲に労いの花束を贈呈し「市子は誰からも自分を見つめてもらえない人生を生きてきた子です。そんな市子がたくさんの人に観てもらっていることが嬉しくて、感慨深い気持ちです」とロングラン・ヒットを祈願。主演の杉咲も「素晴らしい作品に携わることができて幸せだったという気持ちが大きいです。『市子』は安らぎや共感や感動に当てはまるような映画ではないかもしれないけれど、それでもこれだけ多くの方々が来てくれていることに感動しています。市子がどんなことを考えているのかを想像してもらえたらと思います。共感や感動の隣に並ぶ何かが存在しているはずなので、映画を観終わった後にその眼差しを自分たちの近くの人や世の中に向けてもらえたら嬉しいです」と呼び掛けイベントを締めくくった。

 登壇者:杉咲 花、戸田彬弘監督

公開表記

 製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
 大ヒット公開中

(オフィシャル素材提供)

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