イベント・舞台挨拶

映画『愛のゆくえ』公開記念舞台挨拶

Ⓒ2023吉本興業

 宮嶋風花監督の⻑編商業映画デビュー作品であり、若手実力派俳優の二人⻑澤樹と窪塚愛流が出演する映画『愛のゆくえ』が全国順次公開中。

 本作の公開を記念して3月2日(土)に渋谷シネクイントにて公開記念舞台挨拶が行われた。イベントには宮嶋風花監督と主演の長澤 樹と窪塚愛流が登壇し、約3年前に撮影された本作についてのエピソードトークで大盛り上がりだった。そして芸人で俳優の板尾創路が花束プレゼンターとして登場し、窪塚愛流の父・窪塚洋介の話題も!

 映画上映後、満席の会場にやってきた登壇者たち。そんな熱気あふれる会場を見渡した長澤は「今日という日を迎えられたこと、この映画をたくさんの方に観ていただけるのは本当に幸せだと思っています」と感激した表情で挨拶。続く窪塚も「撮影から3年経って、ようやく皆さまのもとに届けられることをうれしく思っています」と観客に呼びかけた。

 長澤演じる愛と、窪塚演じる宗介は幼なじみという設定。その役づくりにあたって、「撮影が始まる前に、宮嶋監督と、樹ちゃんと、(愛の母親役の)田中麗奈さんと一緒にカレーをつくらせていただいたんですが、その時からお互いに役名で呼び合っていました。僕は洗い物担当だったんですが、撮影前から家族らしいことをさせていただいたので、いざ撮影に挑む時にも不安を感じずに取り組めたのがありがたいことでしたね」と述懐。宮嶋監督も「やはり準備から撮影までの間に会える回数も少なかったので。その短い時間で一気に距離を縮めてほしいなと思って、カレーをつくってもらうことにしました」とその意図を明かした。

 本作は宮嶋監督自身の実体験をもとにつくられた半自伝的な作品となる。「もちろん映画は観ていただくものではあるんですが、自分自身もつくる意味のあるものをつくるべきだと考えた時に、前作の『親知らず』という映画は、自分の経験したことから物語を紡いでいった作品だったんですが、その時はまだその経験を出し切れていないというか、表現しきれていないなというふうに感じたので、『愛のゆくえ』が自分の過去と対峙(たいじ)して、乗り越えるきっかけになればいいなと思って、この題材を選びました」と説明。

 そんな監督の思いのこもった役を演じることとなった長澤は、「台本を読んでみて、最初はいち読者というか。その感想をぜひとも監督にお伝えしたい、という気持ちでした。だから自分が愛をやる、やらない以前に、この作品について語り合いたいみたいな気持ちで入っていったんですが、実際やることになって。愛ちゃんという女の子が、ほとんど監督みたいな女の子なんだということを知って。それからはずっと監督を観察していました」と笑いながら明かした。

 本作は、北海道を舞台とした美しい自然を幻想的な映像美で描き出している。そんな撮影を振り返り、「ものすごく寒かった!」と笑い合う長澤と窪塚。まずは愛が船に乗り込むシーンについて長澤が「でもそこ(北海道の寒さ)に支えられたというところはあって。同じシーンをやるのでも、東京でやるのと、北海道でやるのとでは全然違うだろうなと思っていたと思う。だから本当にあそこで撮れて良かった」と語ると、さらにそれとは別の、雪景色の中で二人が歩いていくシーンについて語った窪塚も「やはり雪の中なので。足跡がついたら一発で終わりじゃないですか。だからお互いに(新雪の中を)ズボズボッ、ズボズボッと入っていって。本当に大変だったんですが、でも真剣に芝居をするという気持ちでいました。今まではわりと安全な状況で撮影をすることが多かったので、自分たちで、お互いに協力し合いながらする撮影は楽しかったですし、特に雪はすごくまぶしいので。全然目が開けられないんですよ。できるだけまばたきをせずに、シーンをやりきるのは難しかったですけど、楽しかったですね」と述懐。

 ちなみにそんな彼が、北海道でハマった食べ物は、北海道を中心に展開するコンビニ・チェーン店で販売しているあんパンだったという。「毎朝、朝食であんパンを買って撮影に行って。そしてまた(帰りに)セイコーマートであんパンを買って、一日を締めるというのをやっていました。東京で食べるあんパンよりも本当においしいんですよ。雪景色を見ながら牛乳を飲むのも良くて。なんだかあんパンに助けられたところはありますね」と語る窪塚に、長澤も「刑事ドラマだよね」と笑っていた。

 そんな中、芸人で俳優の板尾創路が花束プレゼンターとして登場。宮嶋監督が「クリエイターズファクトリー2018 U-25映像コンペティション」でグランプリに選ばれた時に、板尾が審査員を務めていたということもあり、「今日は審査員をしたというご縁もあったのでお祝いに来ました」と語る板尾。「いわゆるデビュー作で、渋谷のこんな立派なところで上映されるなんて。なかなかかなう人も少ないので。これを機にどんどん映画を撮っていただいて頑張ってください」と激励の言葉を送った。

 そして宮嶋監督の前作である『親知らず』について「これも本当にすてきな作品で。今回の作品に通じるところがあるんですけど。宮嶋さんの個展に行ったような気になる作品というか。断片的にそれぞれのシーンが記憶されていくんですよ。そして見終わって余韻に浸っていると、もう一度観てみたいなと。そういう不思議な感覚に陥る作品だなと思います」と評した板尾。

 そして実は長澤とは数ヵ月前にNHKの時代劇で共演したとのことで、「その時から表情だけで物語っている女優さんだと思っていました。被写体としてもすばらしいし、北海道にもマッチしていましたね」と感じたという板尾。そして窪塚に向かって「お父さんとも仲良しなんですよ」と呼びかけた板尾。窪塚の父といえば、俳優でレゲエ・シンガーの窪塚洋介であるが、「4月にも一緒に仕事をするんですけど、『今度息子さんに会うで』といったら、『天然なんでよろしく』って言ってました。俺も『ミー・トゥー』と打っときましたけどね」と明かした板尾が、「でもね、おやじも天然ですよ。親子ですからね」と付け加えると会場も大笑い。窪塚も「僕もそうだと思います」と笑いながら返した。

 そんな大盛り上がりとなった舞台挨拶もいよいよ終盤。最後のコメントを求められた宮嶋監督は「この映画をつくり終えるまでに、そして上映するまでに、本当にいろいろな方々に助けられながら進んでいきました。そしてこの映画は今日、観に来てくださった一人ひとりの中で完成すると思っています。なので、今日観に来てくださった方々のおかげで、ようやく映画が完成したと思い、うれしく思います。今後も映画をつくることをがんばろうと思いました」と改めて決意を語った。

 登壇者:長澤 樹、窪塚愛流、宮嶋風花、板尾創路

公開表記

 配給:パルコ
 全国順次公開中

(オフィシャル素材提供)

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