作品紹介

『バティモン5 望まれざる者』

© SRAB FILMS – LYLY FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – PANACHE PRODUCTIONS – LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023

イントロダクション

 フランスが生んだ新進気鋭監督ラジ・リによる世界待望の最新作がついに日本で公開される。
 ラジ・リの名を一躍世界に轟かせたのは、前作『レ・ミゼラブル』。ラジ・リ監督のルーツであるパリ郊外(バンリュー)※1の犯罪多発地区モンフェルメイユを舞台に、そのエリアを取り締まる犯罪防止班(BAC)と少年たちの対立を手に汗握る圧倒的な臨場感で描き出し、観るものの心を鷲掴みにした。この作品は、第72回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞、第45回セザール賞4冠最多受賞(観客賞、最優秀作品賞、有望男優賞、編集賞)、第92回アカデミー賞®国際長編映画賞ノミネート、第77回ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネートなど各国の映画賞を総なめにし、世界に衝撃を与えた。

 それから4年。ラジ・リ監督のもとに『レ・ミゼラブル』製作スタッフが再集結し、再びバンリューが抱える問題を持ち前の臨場感に新しい視点を交えて生み出したのが本作『バティモン5 望まれざる者』だ。前作と地繋がりのテーマを採用しつつも、そのドラマはより人間臭さを帯びながらさらに社会性をまとい、観るものを圧倒する力強さで進化した1作となっている。 本作で描かれるのは、移民たちの居住団地群の一画=バティモン5の一掃を目論む「行政」とそれに反発する「住人」による、“排除”vs“怒り”の衝突。恐れと不満の積み重ねが徐々に両者間の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していく様が息もつかせぬ緊迫感で描かれる。このコミュニティ内にある「権力」「革新」「暴力」の3つの視点を交錯させることでバンリュー地区の実態、ひいては花の都パリの知られざる“暗部”を炙り出していく。この街で不都合なものとは一体何なのか、望まれざる存在とは何を指すのか――その真髄を映し出した本作は、まさにラジ・リ監督の真骨頂と言えるだろう。
 2024年夏季五輪を控えて盛り上がりを見せるパリ。世界的な注目を集める大都市が人知れず抱え続ける問題を、サスペンスフルかつエモーショナルにクローズアップした衝撃作がここに誕生した。

 ※1:フランス語で郊外を意味する banlieue(バンリュー)は「排除された者たちの地帯」との語源をもつ。19世紀より労働者の街として発展し、戦後は住宅難を解消する目的で大量の団地が建設された。団地人気が低下する1960年代末より旧植民地出身の移民労働者とその家族が転入し、貧困や差別などの問題が集積する場となった。

ストーリー

 パリ郊外(バンリュー)。ここに立ち並ぶいくつもの団地には労働者階級の移民家族たちが 多く暮らしている。再開発計画があるこのエリアの一画=バティモン5では、老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められていた。
 市長の急逝で、臨時市長となった医者のピエールは、汚職を追及されていた前任とは異なり、クリーンな政治活動を行う若き政治家だ。居住棟エリアの復興と治安改善を政策にかかげ、理想に燃えていた。一方、バティモン5の住人で移民たちのケア・スタッフとして働くマリにルーツを持つフランス人女性アビーは、行政の怠慢な対応に苦しむ住人たちの助けになりたいと考えている。友人ブラズの手を借りながら、住民たちが抱える問題に向き合う日々を送っていた。
 日頃から行政と住民との間には大きな溝があったが、ある事件をきっかけに両者の衝突は激化することになる。バティモン5の治安改善のために強硬な手段をとる市長ピエールと、理不尽に追い込まれる住民たちを先導するアビー、その両者間の均衡は崩れ去り、激しい抗争へと発展していく――。

 (原題:BÂTIMENT 5、2023年、フランス・ベルギー、上映時間:105分)

キャスト&スタッフ

 監督・脚本:ラジ・リ
 出演:アンタ・ディアウ、アレクシス・マネンティ、アリストート・ルインドゥラ、スティーヴ・ティアンチュー、オレリア・プティ、ジャンヌ・バリバール

ギャラリー

予告編

© SRAB FILMS – LYLY FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – PANACHE PRODUCTIONS – LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023

オフィシャル・サイト(外部サイト)

映画『お母さんが一緒』公式サイト
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  公式X:@STAR_CH_MOVIES

公開表記

 配給:STAR CHANNEL MOVIES
 5/24(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開

(オフィシャル素材提供)

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