
6月7日(土)よりポレポレ東中野にて公開される『くまをまつ』へ各界の識者より推薦コメントが到着した! 加えて、初日舞台挨拶には主演の平野 鈴、渋谷いる太ほか、大場みなみ、内田周作、松浦りょう、滝野裕仁監督が登壇する。以降、豪華ゲストを招いてのトークショーも連日開催予定。
『くまをまつ』イベント詳細
場所:ポレポレ東中野 中野区東中野4丁目4−1 坐ビル 地下
概要:
6月7日(土) ★初日舞台挨拶
13:50回上映後 登壇:平野 鈴、渋谷いる太、大場みなみ、内田周作、松浦りょう、滝野弘仁監督
20:30回上映後 登壇:平野 鈴、大場みなみ、内田周作、竹内啓、滝野弘仁監督
6月8日(日) 20:00回上映後 登壇:渡辺大知(俳優)、滝野弘仁監督
6月9日(月) 20:00回上映後 登壇:宮藤官九郎(脚本家)、滝野弘仁監督
6月10日(火) 20:00回上映後 登壇:甫木元空(映画監督・ミュージシャン)、滝野弘仁監督
6月11日(水) 20:00回上映後 登壇:米倉 伸(本作カメラマン)、滝野弘仁監督
6月12日(木) 20:00回上映後 登壇:草野なつか(映画監督)、滝野弘仁監督
6月13日(金) 20:00回上映後 登壇:今泉力哉(映画監督)、滝野弘仁監督
※ 登壇者は予告なく変更する可能性があります。
創ること、傷つくこと、それでも生きること
あらゆる人々のなかに「くま」は存在しているのかもしれない
本作の監督は、宮藤官九郎・甫木元空・今泉力哉などの話題作に助監督として関わってきた滝野弘仁。監督の出身地である石川県小松市の古民家と石切場を舞台に、脚本家のややこと8歳の少年タカシが体験する“土地の記憶と創作”が入り混じる不思議なひと夏が描かれる。
ややこ役は、濱口竜介監督『親密さ』にて鮮烈な印象を残した平野 鈴。タカシ役には、今作が映画初出演となる渋谷いる太。さらに『雨の中の慾情』の中村映里子をはじめ、大場みなみ、松浦りょう、内田周作など話題作で活躍する実力派俳優が集結。竹内 啓や星能 豊といった石川県出身の俳優も多数出演している。
創作は、人の心を揺さぶり、生きる力を与えると同時に、他人の人生を奪うこともある。その境目で創作を続けるややこは、さまざまな作品に関わってきた滝野監督自身そのものだろう。創ること、傷つくこと、それでも生きること。幼少期の記憶、そして生まれる前の記憶。あらゆる人々の生きる時間と場所を呑み込み、暗がりで「くま」が目を光らせている。映画と人生に正面から向き合った滝野監督の渾身の長編デビュー作にご期待いただきたい。
識者コメント
宮藤官九郎(脚本家)
そんなにたくさんの映画を観てきたわけではないけど『くまをまつ』は他のどの映画にも似てない。
それなのに共感できるのは、幼少期の夏休みという、尊くムダな時間が過不足なく描かれているからだ。
大人の都合で与えられる受動的な自由時間。親戚の家の暗がりとか、そういえば怖かったもんなあ。夜中の物音とか。
オリジナリティと既視感。潜在意識に擦り込まれていた映像を改めて観ているみたいだった。
滝野監督はこういう繊細で美しい映画を撮る人なんだ。付き合い方を改めないといけないなと思った。
染谷将太(俳優)
人の記憶は、感情と共にそこら辺に落っこちているのかもしれない。それに触れたり、拾ったりするのは、覚悟と体力がいることなのかもしれない。けどもその行為は、人に成長をもたらせてくれるのかもしれない。堂々としていて腰の座ったショットの連続が潔く、その視点から観る2人のある種の冒険が、観る者に栄養を与えてくれる。チャーリーさん素敵な映画をありがとう。
横浜聡子(映画監督)
じっと「見る」ことで時空を超えた記憶に出合い、ひそやかに成長してゆくタカシと、おぼろげで曖昧な記憶を脚本に書き留めることで忘却の不安から逃れようとするややこの対比が面白い。
最後、ややこは書くことをやめ、タカシは目を閉じる。
書かずとも見ずとも、この夏の記憶はいつでも取り出せる“現在”となって彼らの中で生き続けるのかもしれない。
今泉力哉(映画監督)
創作において。恋愛において。人間関係において。
相手が自分のためになにかしてくれることは当たり前じゃないんだと思う。
会えてしまうこと。会わない方がいいこと。会えないほうがいいこと。
美しい声と景色を浴びながらいろんなことを考えました。
甫木元空(映画監督・ミュージシャン)
子どもの頃誰もが迷い込んだであろう永遠に引き伸ばされた夏。
舞台は監督の故郷石川・小松市。国道から見える石切場。あの大きな穴に人々は吸い寄せられる。
あの闇に堆積した記憶の中で鳴り響く、貴方や私の物語。
くまは必ず待っている。
忘れられない夏がここにはある。
玉田真也(劇作家・映画監督)
夢と現、創作上の妄想と現実の生々しい人間関係の葛藤、過去と現在、いくつもの線が同時に走って複雑でありながら腑に落ちる、観ている側の身体にしっかりと入ってくる物語は、たしかな構成力と演出力があってこそだと思います。主人公の少年の目を通した不思議な旅行がとても心地よかったです。
西口 想(文筆家・労働団体職員)
日めくりカレンダーをめくると、ある一日が始まって終わる。そのような、関係があるともないともいえない、一つのアクションとそれを受け止める世界との間にある分からなさを静かな驚きをこめて描いた映画。記憶と創作をテーマとするこの作品で、加害者の居直りや忘却に都合のよいわからなさ、不確かさに陥らないところも良かった。
公開表記
製作・配給:kine A house
2025年6月7日(土) ポレポレ東中野 ほか全国順次公開!
(オフィシャル素材提供)