イントロダクション
大阪2児放置死事件を基にした『子宮に沈める』(13)、フェイクニュースによって自殺に追い込まれる少女とメディアの過熱報道による現代社会の歪みを描いた『飢えたライオン』(17)。誰もが被害者にも加害者にもなりうる世界を容赦なく描き、問題作を発表し続けてきた緒方貴臣監督が、最新作『シンデレラガール』では、進行性筋ジストロフィー(PMD)と診断されたモデルでもある森山風歩らの監修の元、「義足は障がいの象徴」とネガティブに捉えていた主人公の義足のモデルやそのマネージャーが、ポジティブに捉えられるようになるまでの心の変化を描く。
シンデレラ・コンプレックス(Cinderella complex)とは、男性に高い理想を追い求め続ける、女性の潜在意識にある「依存的願望」を指摘したシンドロームの名称。本作『シンデレラガール』は、「魔法」や「白馬の王子様」に依存した他力本願な、前時代的女性像である「シンデレラ」へのアンチテーゼとなる作品である。
主演は「推しが武道館いってくれたら死ぬ」では主人公の推しを演じ、JTB「いよいよ海外旅行はじまる」などCMでも活躍中の伊礼姫奈。演技力の高さと圧倒的な存在感で、今後ブレイクすること必至である。主人公・音羽の人生に大きな影響を与えるファッション・デザイナー・五十嵐役で、『淵に立つ』、『よこがお』、『波紋』主演の国内外から圧倒的な支持を得る筒井真理子が参加し、作品の世界観により厚みを持たせている。
マネージャー・唯役で、主演映画『たまつきの夢』がTAMA NEW WAVE2022の「ある視点」部門に正式出品された辻千恵、看護師・桜役で、「個人差あります」の泉マリン、医師の内藤役で、純猥談 短編映画第3作『私もただの女の子なんだ』主演の太田将熙、母・多佳子役でベテランの輝有子が出演するほか、一緒にTikTok動画などを撮影する音羽の仲良しグループのメンバー役に、『なのに、千輝くんが甘すぎる。』の佐月絵美、自身フォロワー210万人超えの三原羽衣、ABEMAの恋愛リアリティー番組「今日好きになりました。小夏編」の田口音羽が集結した。
撮影監督は、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞の『淵に立つ』や『よこがお』の根岸憲一。『飢えたライオン』でもタッグを組んだ緒方監督が、根岸による撮影の繊細な機微を求め、再タッグが実現した。
ストーリー
12歳の時に病気で⽚脚を切断した音羽。その後も⼊退院を繰り返し、中学校の卒業式にも参加できなかった。そんな⾳⽻のために、クラスメイトたちがサプライズの卒業式を病院の屋上でして、その動画がSNSで話題になり、音羽にモデルのオファーが舞い込む。義⾜の⼥⼦⾼校⽣モデルという特異性もあり、一時的に注⽬されるも、その後のモデルとしての仕事は義⾜を隠したものばかりだった。
⼀⽅、マネージャー・唯は、⾳⽻と一緒に義足のファッション・ブランドで「義足を障がいの象徴でなく、個性として捉えてほしい」という理念を聞き、⼼を動かされる。義⾜をもっと押し出していこうと決める二人。やがてファッション・ショーに出演できるチャンスがやってくるが……。
(2023年、日本、上映時間:61分)
スタッフ&キャスト
出演:伊礼姫奈
辻 千恵、泉マリン、太田将熙、輝 有子
佐月絵美、三原羽衣、田口音羽、山本海里、梶 刀織
アライジン、小関翔太、イトウハルヒ、中村颯夢、嶋貫妃夏
筒井真理子
監督:緒方貴臣
脚本:脇坂 豊、緒方貴臣
撮影監督:根岸憲一
照明:佐藤 仁
録音・MA:岸川達也
助監督:中根 克
美術:ぐちこ/榎本 桜
スタイリスト:後原利基
ヘアメイク:Risa CHINO
小道具:伊藤由紀
編集:澤井祐美
音楽:田中マコト、菱野洋平(WALL)
制作:杉山晴香、箱田准一、長谷川穣
義足監修:臼井二美男
グラフィックデザイン:木下デザイン事務所
プロデューサー:榎本 桜、緒方貴臣、塩月隆史、杉山晴香、夏原健、森山風歩
製作:paranoidkitchen、リアルメーカーズ、ラフター
ギャラリー
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/C_G_2023(外部サイト)
公式Facebook:https://www.facebook.com/c.g.movie2023/(外部サイト)
公開表記
配給:ミカタ・エンタテインメント
11月18日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)