作品紹介

『パラレル・マザーズ』

©Remotamente Films AIE & El Deseo DASLU

イントロダクション

 自らの人生を投影した前作『ペイン・アンド・グローリー』で、引退同然の映画監督が再び創作に生きる力を取り戻すまでを描き、世界各国から絶賛されたペドロ・アルモドバル監督。待望の最新作では、ライフワークでもある母の物語に戻り、同じ日に母となった二人の女性の数奇な運命と不思議な絆、この困難な時代における生き方を描く。さらに、アルモドバル監督の中で年を重ねるごとに重要となっていったテーマ「スペイン内戦」も、彼らしいアプローチで人生のドラマの中に織り込み、深く広く多様な世界観を作り上げた。
 ワールドプレミアとなったヴェネツィア国際映画祭の最優秀女優賞受賞、アカデミー賞®2部門ノミネートを始め、既に23受賞83ノミネート(2022.7.11時点)を果たした名匠の集大成にして新たな最高傑作が、ついに日本も魅了する。
 同じ日に母となった二人のシングル・マザー、フォトグラファーのジャニスと17歳のアナ。ジャニスには、アルモドバル監督の盟友を超えて、今やソウルメイトとも呼べるペネロペ・クルス。アカデミー賞®4度ノミネート1度受賞に加え、カンヌとヴェネツィア国際映画祭の女優賞を制し、ワールドワイドに愛されるトップ俳優だ。答えの出ない問いを抱え続けるジャニスの複雑な心情を、揺れる眼差しで体現した。アナには、これが長編映画2作目の出演となるミレナ・スミット。アルモドバルに「偉大な新発見だ」と言わしめる恐るべき才能で、無垢なアナを繊細に生き切った。また、「母性本能がない」と自称するアナの母親に、『マシニスト』のアイタナ・サンチェス=ギヨン。アルモドバル・ファンにはおなじみのロッシ・デ・パルマも顔を出し、スクリーンに味わいを添える。
 音楽は本作でアカデミー賞®4度目のノミネートを誇るアルベルト・イグレシアス。ジャニスの名前の由来となった、伝説のシンガー、ジャニス・ジョプリンの「サマータイム」や、マイルス・デイビスの「枯葉」が余韻を残す。
 ジャニスには、使命があった。スペイン内戦で犠牲になった曽祖父の骨を掘り起こし、愛する者の尊厳を守る場所に埋葬するのだ。歴史の闇を正す願いが叶うことになった時、ジャニスは自身の嘘や矛盾も捨て、新しい人生と向き合う。今この瞬間も世界のあちこちで戦いが続くからこそ、目の前の人を愛することの大切さを教えてくれる、アルモドバル渾身の一作。

©Remotamente Films AIE & El Deseo DASLU

ストーリー

 フォトグラファーのジャニス(ペネロペ・クルス)と17歳のアナ(ミレナ・スミット)は、出産を控えて入院した病院で出会う。共に予想外の妊娠で、シングル・マザーになることを決意していた二人は、同じ日に女の子を出産し、再会を誓い合って退院する。
 だが、ジャニスはセシリアと名付けた娘と対面した元恋人から、「自分の子どもとは思えない」と告げられる。そして、ジャニスが踏み切ったDNAテストによって、セシリアが実の子ではないことが判明する。
 アナの娘と取り違えられたのではないかと疑ったジャニスだったが、激しい葛藤の末、この秘密を封印し、アナとの連絡を絶つことを選ぶ。
 それから1年後、アナと偶然に再会したジャニスは、アナの娘が亡くなったことを知らされる──。

(2021年、スペイン・フランス、上映時間:123分、R15+)

キャスト&スタッフ

監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
音楽:アルベルト・イグレシアス
撮影監督:ホセ・ルイス・アルカイネ
出演:ペネロペ・クルス、ミレナ・スミット、イスラエル・エレハルデ、アイタナ・サンチェス=ギヨン、ロッシ・デ・パルマ、フリエタ・セラーノほか

ギャラリー

オフィシャル・サイト

pm-movie.jp(外部サイト)

予告編

公開表記

配給:キノフィルムズ
11月3日(木・祝) ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテ 他公開

(オフィシャル素材提供)

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